『あなた、私に売りたくないんでしょ!!』
カウンター中にお客様の怒鳴り声が鳴り響き、店内にいるお客さん達の視線が一斉に私たちに集まる。上司が、バックヤードから慌てて飛び出し、何事があったのかASTERに問い詰める。
事の始まりはどうって事ないツアーの空き照会。ASTERはいつものように予約端末を操作し、お客様のご要望に沿うような空きを調べる。しかし、お客様の希望は日にちの迫った週末のツアー、しかもかなり人気のあるツアーで、ASTERはそのお客様のご要望を聞いた瞬間、『あぁこりゃ空いてないな。代案も見つけなきゃ。』と思ったのでした。
案の定、そのツアーは全く空きがなかった。とりあえずお客様にはその旨を伝え、『お時間よろしければ、似たようなツアーで空きがあるものお調べしますよ』と提案した。お客様は一言も発せずただ憮然とした顔で首を上下に動かた。その行為をASTERの提案に同意したと見なし、
<このお客、うるさそうだなぁ。代案で納得すっかなぁ、、、>
『各社調べてみますのでお時間頂きますが、お待ちください。』
と伝え代案を探し始めた。
ところが、こういう時に限って代案が見つからない。。。日にちが近いこと、人気の高いツアーであること、お客様のご要望がなかなか厳しいことが、重なり合い全く代案が見つからない。お客様をあまり待たせてはいけない。とりあえず途中報告を、、、
<やばいなぁ、、、けっこう苛ついてるなぁ。>
『お客様、お待たせしております。生憎なんですが、この出発日だとお日にちが近いのと、かなりこちら方面のツアーが人気がありまして、今調べた限りでは、、、』
<苛ついてるよぉ、、、>
『お日にちを変えるか、条件を若干変えてみるとかでしたらまた状況が変わって来ますが、お日にちとかはこちらが第1希望ですよね?』
---沈黙---
『どうして空きがないわけッ!!時間かけて検討してこのツアーにしたのにッ!!このパンフレットにも5日前までOKって書いてあるじゃない!!空きがないなんて信じられないんだけど!!』
<なんて自分勝手な客なんだ!!ムカッ>
『お客様、こちらには確かに5日前までOKと記載されていますが、パンフレットに記載されているように空きがあれば予約が可能と意味なんです。それにこのツアーは私どもの店舗だけで集客しているものではないので、全国からこのツアーをお申し込みいただけるんです。』
---この言葉が余計にお客様に火をつけ---
『あなた、私に売りたくないんでしょ!!』
<あぁ、出ちゃった、、、その言葉。。。>
この後、上司とASETERが必死に事情を説明、、、しかしお客様には御納得いただけず、
『もういいですっ!他の店で申し込みます!二度と来ませんからっ!』
そういい残して去っていきました。上司の一言、、、
『他の店いったって空きなんかねーぞ。同じ在庫を見てんだから。ASTERご苦労だった。』
『いえいえ、、、』
この例は、ASTERがこれまで経験した中で、一番自分勝手なお客のパターンです。事の大小があるにしてもこの手のお客様は一杯いるんですよ。年代で言えばどうですかね?これはASTERの個人的見解ですが、30代主婦層(おまえジュリアナでお立ち台上がってただろ世代)、50代おばちゃん、男性ビジネスマン(割引航空券の空きがないとゴネルかキレル)あたりに多いように思います。
こういうお客さんってのは、《自分達しか旅行に行かない》っていう考え方が染み付いているような気がします。世界が小さいって言うか、単なる自己中心的って言うか、、、
カウンターに旅行の相談に来ておいて、スタッフの言ってることが信じられなかったら何を信じて旅行を申し込むんですか?と言いたいですね。こっちだってプロ意識でやってます。それを『私に売りたくないんでしょ』なんて言われたら、侮辱ですね。ASTERはそんなお客はとっとと帰ってもらいます。こっちだって人間、やる気なくなりますからね。
最近の若者はすぐキレル!!なんてしきりに騒いでますが、常識を知らない、口の利き方を知らない、キレルいい年した大人どもがどんなに多い事か、この仕事をしていてつくづく思い、哀しくなりました。
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