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旅 行 商 品 と は >>> 第1回 国際観光のマーケティング

1.国際観光の生産・流通機構
観光目的国のサプライヤー(交通・宿泊・飲食・観光施設など旅行サービスの提供者)を左側において国際観光商品の生産・流通機構を見てみると、仲介者である自国のインバウンド旅行業者と市場国のアウトバウンド旅行業者の関与の具合により、以下の5通りの異なる経路に考えられる。

1)自己生産
@サプライヤー〜コンシューマー

2)注文生産
Aサプライヤー〜トラベルエージェント〜コンシューマー
Bサプライヤー〜ランドオペレーター〜トラベルエージェント〜コンシューマー

3)市場生産
Cサプライヤー〜ホールセラー〜リテーラー〜コンシューマー
Dサプライヤー〜ランドオペレーター〜ホールセラー〜リテーラー〜コンシューマー

2.生産・流通機構の構成要素
1)コンシューマー
消費者。観光の場合は観光旅行者。個人、小グループ、団体、パッケージ旅行の購入者等、様々に分類される。マーケティング上はハネムーナー、修学旅行、インセンティブ旅行、会議参加者など、様々なセグメントに分けられる。

2)ホールセラー
ホールセラーは市場生産による旅行商品のメーカー兼卸売り業者であり、国際観光の本流を司る存在である。デパート型の何でも取り揃えた総合ホールセラーであれば、目的地や内容に特化した専門店型もある。ホールセラーは、自社の海外ネットワークもしくは目的国の地上手配業者を通じ、あるいは直接外国のサプライヤーと交渉し、関連のサービスの仕入れを行ってパッケージツアーを造成する。商品はカタログあるいはパンフレットなどの形で小売り旅行業者のネットワークを通じて消費者に販売される。大量生産する大手ホールセラーは、商品にブランド名を付して、消費者に向けて活発な宣伝・販売促進活動を展開する。

3)リテーラー
リテーラーは、ホールセラーが生産する様々な商品を店頭において消費者に販売する小売旅行業者である。ホールセラーとリテーラーの区分は、市場生産のいわゆるパッケージ商品の流通から見た分け方であるが、通常、旅行業者は、一方では消費者を代理して旅行を手配し、他方でサプライヤーやホールセラーの販売代理店としても機能しており、注文生産型商品流通の主役である。個人や団体の常顧客を持ち、彼らの注文に応じた旅行の生産を行うのはもちろん、旅行が定期的に行われる場合には、能動的に旅行のアイデアや旅程案を提供する。なお、ホールセラー、リテーラー、トラベルエージェントの3種の機能は、旅行業者によって全てを併せ持つ大企業から、それぞれの機能の専業の旅行業者も有る。

4)ランドオペレーター
1)〜3)が送り出し市場国のアウトバウンド業界として国際観光の流通機構を構成しているのに対し、ランドオペレーターは目的国のインバウンド旅行業者である。市場国のホールセラーやトラベルエージェントからの注文を受けて、国内の各サプライヤーと契約して自国内の旅行部分の手配運営を行う。ランドオペレーターは、本来目的国をホームグラウンドにする旅行業者であるが、主要市場には視点、営業所等の拠点を設置し、市場国のホールセラーやトラベルエージェントの旅行の生産活動の重要な一翼を担っている。また、これとは逆に送客側のホールセラーが、地元のランドオペレーターと競争するケースも多い。また、世界観光地化という状況の中で、主要市場国の中に手配専門のランドオペレーターも多数誕生して、複雑な分業体制がきずかれるようになっている。

5)サプライヤー
目的国内の宿泊施設、交通施設、飲食施設、観光施設など、旅行者にサービスを提供する多様な業種を総称する。中でもホテルは、国際観光の成立のために真っ先に確保すべきサービスであり、国際航空会社とともに旅行商品の生産の最重要要素である。

6)国際線航空会社
国際線航空会社は、国際旅行商品の中核をなすサプライヤーであると同時に、メーカーに準じた役割も果たしている。航空会社の日常的な販売活動自体が国際旅行商品の生産流通活動を支えるのであり、かつ、航空路線や座席のキャパシティ、航空運賃の設定等、航空会社のポリシーが市場の動向に大きな影響を及ぼすので、マーケティング活動上にとくに重要な位置を占めている。なお、航空サービスは2国間協定によって運行されており、特定のA国とB国の間には通常市場国Aのキャリアーと目的国Bのキャリアーが就航しているが、第3国のキャリアーが就航している場合もある。いずれにしろ競争の激しい世界であり、観光宣伝の上で航空会社との提携関係はキーポイントになる。

7)政府観光局(NTO)
以上が国際観光の生産・流通機構の構成要素であり、ホールセラー股はトラベルエージェントを買い手とし、キャリアーとサプライヤーを売り手として複雑な契約関係によって成り立っている。営利事業によるこうした狭義の国際観光の生産・流通機構に、別の形で関わっているのが、目的国の政府観光局(NTO)である。NTOはコマーシャル・ベースの取引には関わらないが、自国内の観光地、交通、宿泊、観光施設などのサプライヤーを含む観光目的地を代表して市場国のコンシューマーに自国の観光のイメージアップを計り、流通機構に対して、自国向けの旅行商品の生産yは側面的に支援している。国際観光の流通機構を研究したWTOのリポート『観光の流通機構の研究』は、この点について、「国際観光は、政府が民間の商取引に不可欠の要素として参画する珍しい分野である」と表現している。

8)国際の観光地・自治体・観光協会
NTOは、自国の観光魅力、観光のインフラの状況、予算その他の諸条件を勘案し、基本的なポリシーに従い宣伝事業計画を策定するが、その場合、NTO側の要請により、地方の観光地が協力、あるいは事業参加する場合もあれば、地方の要請に対しNTOの支援する場合もある。いずれにしても両者ばらばらに対外宣伝を実施するのでは効果が少なく、協力関係を蜜にする事によって相乗効果を高める事が強く求められるのである。

4.観光地マーケティングの手法
⇒流通機構戦略
1)自国への旅行を現に生産し、販売しているホールセラーの状況と把握
◇市場内のホールセラーの現状と自国への旅行商品ホールセラーの特徴と評価
◇ホールセラーの商品構成に占める自国旅行の比重とそれぞれの商品の宣伝の状況
◇自国への旅行商品ホールセラーの系列、契約リテーラーの状況

2)自国への既存旅行商品の分析
◇傾向分析(種類・本数・出発時期・日数・価格・経路等)
◇個別分析(使用航空会社・国内訪問地と見物対象・ランドオペレーター・使用ホテル・主力販売地域)
◇販売状況(市場での人気・評価)

3)分析結果に基づく改善、多様化の可能性の検討
◇対象顧客(高価格高品質・中級オードソックス商品・大衆向け低廉商品・SIT等)
◇国内訪問地(訪問地・見物対象の組み合わせやルートの改善・合理化・滞在日数の延長)

4)改善または新企画の働きかけ
◇日常的な接触と情報提供
◇旅行業界紙への広告掲載・記事提供
◇ツアー企画者のためのトラベルセミナーの開催
◇現地視察への招聘
◇トラベルトレードショーへの出展
◇カトログ・パンフレットの作成支援
◇商品性サインのインセンティブ類の提供

5)販売支援(ホールセーラー・リテーラー対策の協力
)
◇商品説明会などでのディスティネーション・プレゼンテーションの実施
◇リテーラーの店頭向けの展示物の提供・貸出
◇業界紙への広告掲載

⇒対消費者宣伝広報戦略
1)媒体経由の広告宣伝(TV・ラジオ・新聞・雑誌・ガイドブックなど)
◇有料広告
◇パブリシティ
◇メディア・アシスタンス

2)直接宣伝
◇ダイレクトメール
◇イベント系
◇パフォーマンス系
◇ニューメディア系

3)宣伝資料
◇印刷物:パンフレット・地図・ポスター・ちらし・絵葉書
◇映像資料:映画・ビデオ・スライド・写真
◇展示用物品:ポスター・カラーコルトン・民芸品
◇ギブアウェイ
◇ニューメディア:HP・DVD・CD-ROM

4)受け入れ態勢の改善
◇観光案内所
◇誘導標識・案内板
◇観光バス
◇ガイド
◇観光客優遇措置
◇ホスピタリティの向上

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