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特集1 あなたが旅行をする度にこれだけ世界に影響を与える  >>> あなたが払ったそのお金、果たして経済効果をもたらしてるか(1)
1. コミュニティに対する影響

観光が成長し、観光客が増加するにつれ、観光の様々な正や負の影響も増大してきます。いかに適切な開発計画や観光政策が、負の影響を軽減する事ができるかを考える事が観光を経済の柱としているコミュニティにとっては重要です。マスの発達と教育の普及は近代ツーリズムの発展に大きな役割を果たしてきました。技術の進歩や革新、時代の変化に伴う観光動向の変化は経済のあらゆる分野に影響を及ぼすと同時に、社会や環境に問題も与えてしまいます。観光が目的地のコミュニティに影響を及ぼすということを私たちはしっかりと認識する必要があります。

2. 経済に対する影響

ある地域の(ホスト)の外からの旅行者が、その地域内で商品やサービスを購入すれば、外から新しい収入がもたらされます。観光は輸出と同じ効果を生み出します。旅行者の支出は、直接間接様々な形でホストの経済活動全体のレベルをあげますが、中でも顕著に見られる効果が『雇用の創出』と『所得の増加』です。また、経済活動が活発化すれば、それに伴い政府に入る税収も増加していきます。これが国際観光の場合だと、ホスト国は外貨を取得し、国の貿易収支の改善に役立つ事になります。旅行者の数が増えれば、コミュニティ内で物やサービスの需要が増える事になりますが、当該コミュニティが増加分のサービス需要に応じて増産する能力があれば、旅行者の支出増の全部がコミュニティに残る事になります。しかし、コミュニティに増産能力がなければ、必要な原料や資本、労働力等を外部から輸入しなければならなくなる。

地域内で行われる旅行者の支出は、外からの旅行者に対して物やサービスを販売したものなので輸出と見なされるが、観光サービス提供のための資源を地域外から購入すれば輸入であり、収入の漏出につながる。したがって、地域に対する観光の経済効果を推定するには、輸入に対する支払い分を収入から差し引いて考える必要がある。

国内観光が自国内で富を再配分しているのに対し、国際観光は国に対して新たな収入をもたらす。観光事業は今や世界でも最大のサービス輸出であり、黒字を示す数少ない貿易外収支項目のひとつとして役立つ。世界全体から見ても、観光派国際貿易収支の黒字や赤字を相殺する重要な項目になっている。

ある地域の観光の経済効果を測るときは、当該地域が旅行者の支出の全てを収入とするものではないということを頭に入れなければならない。たとえば航空輸送に対する支出は通常旅行者の出発地で発生するもので、目的地では発生しない。また、旅行者の消費に対する飲食物や小売商品を地域外から輸入していれば、そのための支払い分は地域から出て行き、観光収支の支払い項目には含まれなくなる。旅行者の支出のうち地域に残る分だけが地域の企業や住民の所得の源泉となる。観光客にサービスを提供するホテル、レストラン、レンタカー、ツアオペ、小売店などが客から受け取る収入がコミュニティ経済に対する直接効果である。『直接』とう言葉、観光客に直接サービスを提供する企業が受け取った金額の中から給与、賃金、材料費、備品消耗品代、税金等を支払う事によって、消費の最初の循環を誘発するのである。直接効果に対し、副次効果とは直接のサプライヤーが納入業者やサービス提供者などの間接のサプライヤーや他の地元企業に支払い、支払いを受けた企業がまた給料、賃金等を支払い、さらにその納入業者やサービス提供者が支払い、といったような循環をするとこによって生じてくる派生的な効果を指す。地域に残った最初の観光支出は、地域内で循環して所得を創出することによって、通常漏出前の観光収入総額を上回る所得を生み出していく。すなわち、来訪者の使う1ドルは最終的に2ドル以上の経済効果を生じるのです。

地域経済における上の経済効果を分かりやすく説明するために、観光地で1000ドル使う旅行者の例を考えてみましょう。当該旅行者は国際級のホテルに宿泊し、高級レストランで食事をし、お土産として外国製の品物をいくつか買ったと仮定します。旅行者の支出は輸入の食材、その他の材料費や外国ワイン、あるいは外国産のみやげ物等も含んでいるので50%が輸入の代金としてそのまま地域を出て行ってしまいます。すると500ドルが残り、その一部が従業員の給与として支払われ、給与は生活のための個人的な消費に向けられて地域の他の産業の所得を生んでいく。500ドルから給与を引いた残りの部分はホテルやレストラン等の株主への配当や、材料やサービスを提供する下請け企業(間接のサプライヤ―)、その他の産業分野へと回っていく。そして、間接のサプライヤーなどの企業に雇用されている人々も個人的消費に所得を使うので、それがまた地域経済を潤すことになる。このような連続する消費の循環を通じて、旅行者が使った1000ドルのうち地域に残った最初の500ドルは、経済の多くの分野で付加的な所得を創出する。

このようにして観光の成長は、新しい雇用や企業を生み出してゆくが、地域にどのような観光汐現があり、それを誰が所有しているかによって、地域における所得の再分配に寄与するのである。

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